電気のこれからを考える「場」

長野から世界の舞台を目指す
カーリングチームの
一員として

中部電力 カーリング部
石郷岡 葉純(いしごうおか・はすみ)
青森出身。長野支店 長野営業所契約課。「チーム青森」が全国的に注目を浴びていた小学6年の時にカーリングを始める。高校生のカーリング甲子園と呼ばれる大会で、青森の女子としては初めての優勝を手にしたのを皮切りに、ジュニアの大会に青森代表として出場。2014年に軽井沢で日本選手権が開催された時には、東北代表で出場した。2015年、中部電力に入社し、カーリング部へ入部し、現職。

<軽井沢アイスパーク>

2013年、軽井沢風越公園内に設置された日本最大級の通年型カーリングホール。国際大会の開催も可能な6シートを備えており、平昌オリンピックへの出場を決めた男子カーリングチームのSC軽井沢とともに、練習拠点としている。

チームの厳しい状況と意識変革
そして、日本選手権での優勝

勝った瞬間は実感がなく「勝てたんだ」という気持ちでした。そう率直な心情を語るのは、中部電力カーリング部所属の石郷岡葉純だ。今年2月のカーリング日本選手権で、LS北見(北海道)と接戦の末、優勝を飾った中電カーリング部は、今年9月にオリンピック出場をかけた代表選考会を控えている。今シーズンのカギを握っていたのは、一番目に投げる「リード」という役割を果たす石郷岡選手の成長だった。

石郷岡が、中電カーリング部に入部した2015年春、当時チームの司令塔であった藤澤五月選手がLS北見に移籍。チームとして試練の時期を迎えていた。当時のことを「入部当初は、私自身は先輩方についていくだけで精いっぱいでした。今考えると、自分の意思をうまく伝えられずリードとして支えることができなかったと思います。そのため、余計に先輩にプレッシャーを与えてしまっていたのではないかと反省しています」と石郷岡は振り返る。

カーリングは、オリンピック競技でありながら、勝負の醍醐味を理解する人はまだまだ少ないかもしれない。1チーム4人構成で相手チームと対戦し、「ストーン」と呼ばれる円盤状の石を、目標となる「ハウス」(サークル)の中心を目指して投げる。高度な戦略とテクニックが必要なことから「氷上のチェス」とも呼ばれる競技だ。ブラシを使い、氷上の摩擦を巧みにコントロールする「スウィープ」というテクニック、あるいは、状況に応じた最適なスピードで投げるなど、瞬時の判断でゲームを展開させる。その時に、最も重要となるのが、作戦の組み立てとチーム内のコミュニケーションだ。それこそが勝敗を左右する。

カーリング
カーリング
カーリング

昨シーズン、チームのコミュニケーション不足もあって、日本選手権への出場を逃すなど厳しい状況を招く。チームにとって何が必要か、同期の北澤と腹を割ってじっくり語り合った。「一歳年下の中嶋も入部し、中堅となる私が自らコミュニケーションを取っていくタイプに変わり、自分たちではい上がっていかないと!」と涙を流しながらの真剣な話し合いだった。

集合写真
[左から順に]石郷岡 葉純選手(長野支店 長野営業所) 北澤 育恵選手(長野支店 佐久営業所)
       中嶋 星奈選手(長野支店 上田営業所)  清水 絵美選手(長野支店 用地部)
       松村 千秋選手(長野支店 上田営業所)

チームの戦績が伸びない中で試行錯誤し、チーム内の意思疎通・コミュニケーションの改善を自分なりに実践していった。「私自身は、攻めの作戦を考え、積極的に点数を取りにいくのが苦手なので、点数を取らせない戦略が必要な場合は、みんなにできるだけ意見を伝えるよう心がけました」と石郷岡は語る。チームの意識と行動が徐々に変化し、良い方向へ動きはじめる。

カーリング

「積極的にコミュニケーションを取ろうと意識することで、試合中に自分の考えを伝えやすくなりました。練習中に意見交換をすることで、試合においても応用して考えられるようになりました」

カーリング部部長である長野支店総務部の和田博明は、「日本選手権で石郷岡が大きく変わってくれました。スポーツ選手としてだけでなく、社会人としてもさらに成長を期待したいですね」と振り返る。

トレーニング
トレーニング

自然体なリラックスした雰囲気で、コーチ指導によるストレッチ。

ランチ

練習中は、仕出し弁当がランチの定番。リラックスムードがメンバー内に漂う。

地元青森を離れ、独り長野へチームメートと家族が支えに

リンクを離れた場面でも、石郷岡は自分の得意領域をチームの成長につなげられるよう、積極的に動いた。海外遠征の時やスイス人コーチとのコミュニケーションをつなぐのが、石郷岡の英語力だ。コーチとの連絡は主にメール。コーチからのアドバイスをチームメートにフィードバックする際、窓口は主に石郷岡が担当している。学生時代から、英語を独学で学んでいた石郷岡。

「実は高校卒業後は、近くにカーリング場もあるカナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学したいと考えていました」

しかし、ʼ14年に軽井沢で開催された日本選手権で東北代表として出場した際、現チームメートの清水・松村から入部の勧誘を受ける。チーム青森の五連覇を阻止した憧れのチームでカーリングができることに魅力を感じ、石郷岡は青森を離れ就職する決断をしたのである。

カーリング

試合では、「スウィーパー(掃き手)」として氷の状況を見て、ストーンのスピード感の判断も助言する。

日本選手権での優勝を決めた今、かつてのチームメートとは良きライバル関係としてお互いに刺激しあっている。優勝後、青森に帰省した際には同級生から「優勝おめでとう!」と祝福を受けた。また、地元のカーリング大会を訪れた際には小学生から「石郷岡選手ですか?」と声をかけられたり、ユニホームにサインをお願いされることもあったと照れ笑いをする石郷岡。
大の仲良しの家族も、青森と長野という距離を超え、いつも心の中ではそばにいて応援してくれる。「日本選手権決勝の時には、父が青森での仕事を終えて半日がかりで駆けつけてくれました」と語る。一番の仲良しである姉は、優勝を決めたあと、Twitter で「自慢の妹!!」とつぶやき、妹の奮闘にエールを送った。

チームのメンバーを家族に例えると、長女が松村選手(写真左端)、石郷岡選手が次女(写真右2番目)、
北澤選手(写真中央)と中嶋選手(写真右端)は双子の末っ子だそう。清水選手(写真左2番目)は満場一致で母的存在。
「プライベートでも、みんなでお休みを合わせてディズニーランドに行ったり、週末には私の家でたこ焼きパーティーしたり、カラオケに行ったりもします。私1人が長野県外出身者で、近くに知人がいないため、気にかけてくれています」と石郷岡は語る。

世界の舞台だからこそ
自分たちらしいカーリングを

石郷岡は、カーリング部に所属すると同時に、中部電力長野営業所契約課の一員でもある。日頃は電気工事店さんの窓口応対や電話応対、工事伝票の回付などを行っており、なじみの電気工事店さんからは、「日本選手権、テレビで見てたよ」と声をかけられることもある。地域の方々やお客さまから、カーリング部の活動が「地域の活性化につながるね」「明るいニュースで、街が元気になるよ」といった声をかけてもらえることはチームとしても励みにもなっている。

お客さまのご相談

お客さまのご相談を受け、実際に契約されたときに達成感を感じるという。

上司や先輩に質問

上司や先輩に、分からないことは積極的に質問をする。練習の合間を縫って、電気工事の試験にも挑む。

出社

遠征後に出社すると「試合はどうだった?」と先輩や同僚から声をかけられるのがうれしいと話す。

元々、中電カーリング部が発足したのは、職場の一体感と従業員の志気高揚だけでなく、中部電力の企業活動に関心と理解を持っていただき、中部電力を広く全国の方々にも知っていただきたいという願いもあった。中部電力長野支店に所属するカーリング部が、ʼ18年の平昌に向けて全力を尽くす姿は、自由化という競争環境下でチャレンジを続ける中部電力のイメージと重ねられる。
9月のオリンピック代表選考会に挑む心境を、石郷岡はこう語る。

勝たないとオリンピックにいけないという考え方ではなくて、勝ったらオリンピックなのだという気持ちで臨もうと思っています。勝ちだけに固執し過ぎると、自分の癖が出て、一点しか見えなくなってしまうので。広い視野を保つためにも、気持ちの余裕を持てるようにしています。チームのメンバーも同じです。みんなで気持ちの余裕をいかに持てるかということを考えながら練習しています」

9月まであと3カ月。自分たちの強い意志で苦難を乗り越え、チームとして一つになった心が、新たな可能性を広げる未来につながろうとしている。

石郷岡葉純

文・構成/森 一市 撮影/水谷 文彦

仕事とスポーツを両立させたがんばる姿を通して周囲の人に元気を与える存在になりたい、と語る。

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